歯が命の日 8月1日

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 女性にとっていつまでも若々しい印象を与える重要なパーツが口元。キラキラ輝く白い歯やいきいきした張りのある笑顔は、魅力を一段と引き立ててくれます。そこで日本経済新聞社 メディアビジネス イベント・企画ユニットでは、丸の内キャリア塾の「歯が命の日」恒例スペシャルセミナーを東京・大手町の日経ホールで開催(協賛・サンギ)。「美人をつくる口元習慣! 健康で美しく生きていく」をテーマに、歯科医師と人気美容家が美しく健康的な口元を維持するためのオーラルケア習慣や、年を重ねても輝き続ける秘訣などについて解説してくれました。当日の講演内容は日経チャンネルで配信中。

美容家

朝食前のお手入れをルーティンに

君島 十和子氏 Towako Kimijima
1966年東京生まれ。FTCクリエイティブ・ディレクター、美容家。2人の娘をもつ母。雑誌の専属モデルや女優として活躍後、結婚を機に芸能界を引退するも、美容への意識の高さが各女性誌で取り上げられる。現在はTVや雑誌で活躍しながら、自身のSNSでも飾らない等身大の姿やファンに寄り添う配信が好評。

 ──君島さんは子どもの頃から歯を大切にされていたと伺いました。

 母からは常々『歯みがきしなさい』と言われて育ちました。ただ妹が生まれてからあまり言われなくなり、それをいいことに以来歯みがきがおろそかになって、むし歯に悩んだ時期もあります。歯の大切さに改めて気付いたのは10代後半になってからです。

 ──オーラルケアのルーティンがおありとか。

 朝起きると、ベッドから洗面所に直行。そこで柔らかい絹を使った口腔(こうくう)内ブラシ、舌用ブラシ、普通の歯ブラシなどを使って口の中の細菌を洗い流します。寝ている間に細菌が増えるので、うがいをするまでは唾液も飲み込まないようにしています。
 朝食後には、ペーストを使って歯をみがきます。会社でもランチの後、必ず歯みがき。晩ご飯も食べ終わったらすぐ口をすすぐようにしています。実は親戚の歯科医一家が必ずしていた習慣で、その見よう見まねなんです。夜もメイク落としの時、ペーストを使って歯みがき。その後に何か食べた時は、寝る前にもう一度歯みがきします。

 ──多様なアイテムを使い分け、要所要所をケアされているのはさすがです。

 お口の中って、意外と広いんですよ。それぞれの場所に合ったアイテムでケアするのがポイントです。ほうれい線とかマリオネットラインとか、外から見て気になる部分を、筋肉や血流を意識しながら内側からアプローチする感覚です。

 ──一つひとつの作業がスキンケアにつながっている感じがしますね。

 コロナ禍を経て、フェースラインのたるみなど顔の下半身の悩みについての相談が増えました。私自身、その予防のため、口腔内の血流を保ち、栄養分や水分をしっかり歯ぐきに行き渡らせたい。そのために頭皮マッサージをしたり、日ごろから意識して口角を上げるようにしています。最近はスマホやパソコンなど下を向いている時間が長いので、シワが定着しないよう、口の内側から刺激を与えることが重要ですね。

 ──スキンケア同様、日ごろのケアが重要と。

 昨日まであんなに頑張って日焼け対策してきたのに、たった1日の怠け心で努力が水の泡になって後悔したことがあります。歯のケアも同様で、傷んでから治療するよりも、日々まめにケアしていく。それが一番お金も時間も手間もかからない方法だと思っています。

 ──そんな情報発信も積極的にされていますね。

 女性はメンタルの状態がお肌や腸内に現れますので、SNSなどを通じて、私自身が明るい気持ち、前向きな気持ちになれる情報を発信しています。相手の悩みに合った化粧品や美容法など自分がエビデンスとなった情報を伝え、喜びの言葉が返ってくる。そんなやり取りが私にとっての喜び、モチベーションにもなっています。

▼君島さん愛用のオーラルケアアイテム。
右は頬の内側などをやさしくぬぐう絹の口腔内ブラシ、中央の三角ブラシは舌の上面を清潔にするために使用する

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高輪歯科 院長

ミネラル補給でエナメル質を若々しく

加藤正治氏

加藤正治氏  Shoji Kato
1990 年東北大学卒業。歯学博士。98 年、高輪歯科(診療部門)開設と同時にハイドロキシアパタイトによる歯のケアに関する臨床研究を開始。歯科医療従事者を対象にした講演会・セミナー・執筆活動を国内外で積極的に行っている。診療室では一人ひとりのリスクを分析した「未来の健康」を発信している。

 もっとケアしておけばよかったと後悔しているパーツは何ですか──。女性への意識調査で最も多かったのはスキンケアですが、同様に多かったのがオーラルケアでした。抜けても毛母細胞がある限り生え替わる髪と違い、歯の表面を覆うエナメル質は1度完成したら再生が利きません。

 コロナ禍以来、様々な口中トラブルで歯科医院を訪れる方が増えました。むし歯のほか、自宅でのテレワークがストレスになってかみしめ癖が付いて歯が痛くなったり、マスク生活で口呼吸が増えた結果、唾液の循環がうまくいかず歯の着色や歯周病が悪化する方も来院されました。

 歯の3大疾患というと、むし歯、酸しょく、そして歯周病です。むし歯と酸しょくは似ていますが、前者はむし歯菌が出す酸で歯に穴が開く現象。これに対して後者は食べ物や飲み物自体の酸性度によってミネラルが失われ、歯が溶ける現象です。
 エナメル年齢という言葉をご存じでしょうか。エナメル質は、そもそも細胞がないので老化せず、大事に使っている限り年を取りません。逆に言うと、いたわり方しだいで実年齢以上に個人差がつきます。例えば、色が違ってきます。酸しょくやすり減りで歯の形が変わります。表面の荒れ具合や質感、滑らかさや光沢などでも大きな差がついてくるのです。

 では、エナメル質に年を取らせないようにするにはどんな手入れをしたらいいのか。ヒントはスキンケアです。歯科医院では肌の手入れと同様にクレンジングで汚れを洗い落とし、一本一本の歯に丁寧にミネラルを補給。表面を滑らかにトリートメントし、最後にパックを行います。しっかりと整えた歯の表面は、まるで美しい肌の顕微鏡写真を見るようです。

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 ミネラルトリートメントはむし歯や酸しょくを修復するだけでなく、エナメル質を滑らかにすることで歯垢(しこう)を付きにくくします。着色もしにくくなり、光沢や明度、白色度もアップします。

 歯周病は細菌との闘いなので、喫煙や仕事のストレス、不規則な睡眠・食生活なども大敵。誤ったブラッシングやかみしめ、食いしばりも歯ぐきが下がる原因になるので注意が必要です。

 そして最後に自分に出来ることは毎日の歯みがきでその日に失ったミネラルはその日のうちに取り戻すことです。歯にミネラルを補給し、いつまでも白く輝く歯を維持してください。


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2024年8月1日発行
日本経済新聞 朝刊
丸の内キャリア塾スペシャルセミナー掲載