サンギは、2018年7月18日(水)に行われた日本経済新聞社クロスメディア営業局主催のシンポジウムに協賛いたしました。
円滑に仕事を行っていく上で、重要な印象づくりについて、歯科医師と顔ヨガのプロにご講演いただいました。
キレイ研究室が全国の20歳から69歳までの女性を対象にした「エイジング」に関する意識調査によると、年齢がわかる(出る)パーツの第1位が「口元・ほうれい線」。第2位の「目・目元」と第3位の「首」ともに自分が思っている以上に他人に気にして見られているパーツであるということが判明しています。
当然口元から覗いて見える歯の見え方も、見た目年齢や表情の印象、好感度に影響するとても大事なポイント。今日のテーマである「天然歯」の扱い方次第で、見え方にも大きく差が出るのです。
8020運動の最新データを見ると、65~80歳の15年間で平均6本の歯が抜けています。残存歯が20本を切ると進行はより早くなるため、早いうちから予防を始めることが大切です。年を重ねてもなお美しい歯を維持される方には、共通点があります。それは、生えてきたそのままの歯である「天然歯」が圧倒的に多く残っていることです。歯周病で歯を支える骨を失っていない。歯ぐきが下がっていない。また歯が極端にすり減っていない。つまり歯の健康を守ってくれる表面の“エナメル質”が削られておらず、状態がよければ、歯を長く残すことができるのです。
このエナメル質が失われる原因の代表がむし歯です。また最近注目されているもので、酸性度の高い食品や飲料の取り方によって歯のエナメル質が溶けてしまう「酸蝕(さんしょく)」もあります。このほか、「TCH(Tooth Contacting Habit)」と呼ばれる上下歯列接触癖(歯と歯を常に合わせ、かみしめる癖)が、エナメル質をすり減らすケースも見受けられており、これは表情筋の緊張にも結び付きます。
むし歯菌の出す酸や酸性度の高い食品・飲料等によってエナメル質から溶け出てしまうミネラルは、本来は唾液の力によって自然に回復します。しかしバランスが崩れ溶け出す方が多くなって唾液の助けが間に合わない場合は積極的にミネラル補給をすることが大切になってきます。
歯のエナメル質の97%はハイドロキシアパタイトでできていますので、歯とほぼ同じ成分であるナノ粒子ハイドロキシアパタイトを歯の表面に直接補給すると、この作用を計画的に高めることができます。エナメル質を守り、キレイな歯を取り戻すためには、この「ミネラル補給」がポイントです。
基本はお肌の手入れと同じです。お肌の場合はメイク落としと洗顔フォームで汚れを浮かせて洗い落とし、ローション、保湿クリームで必要な成分をしみ込ませて封じ込める。歯の場合も同じイメージです。医院では表面に付着する汚れや歯垢(しこう)を取り除き、その後にナノ粒子ハイドロキシアパタイトでできたペーストを塗り込みます。歯と歯の間もフロスで塗り込んで、最後に封じ込める処理をします。これを繰り返すことにより、表面がどんどん平らに、なめらかに、きめ細かくなっていくわけです。汚れを落とすだけでなく、必要なもの(ミネラル)を補給しながらいいコンディションを維持していくことは、やがて大きな結果をもたらしてくれます。
オーラルケアで最も重要なことは、「天然歯」を大切にすることです。目に見える変化が表れる前にミネラル補給をしっかり行い、目に見えない小さな傷を埋めていけば、汚れや色が付きにくく、むし歯や酸にも強い健康な歯を維持する事が可能です。クリニックで定期的なプロケアと家庭でのセルフケアで歯にも栄養を与え、実年齢よりはるかに若々しい口元と素敵な笑顔を目指しましょう。
私が顔ヨガを始めたきっかけは、30代になってタンゴダンサーを目指し、体を鍛え始めたことからでした。おかげで体は引き締まっていましたが、顔だけ衰えていることに気付き、顔も体と同じように鍛えられるのではないかと顔ヨガを始めたのです。顔ヨガは舌をよく動かすので、唾液が分泌され、お口の健康にもよいトレーニングです。
顔の中には表情筋と呼ばれる約60種類の筋肉があります。この表情筋を使わずにいると、頬が垂れ下がって老けて見えたり、顔が大きくなる原因となります。しかし顔も体と同じように伸縮運動させることで弾力ある表情筋を作れば、小顔や若返り、幸せ顔を手に入れることが出来ます。
例えば「こめかみストレッチ」。右手を頭の上から左のこめかみに回します。顔の側面を引き上げながら首を倒し、倒した方に舌を伸ばして息を吐きだします。側頭筋・舌筋が鍛えられ、ほうれい線が目立たなくなり、小顔になります。また、舌をしっかり使うことで耳下腺が刺激され、唾液がたくさん分泌されます。唾液は、歯やお肌にも良い影響を与えてくれます。
日常において顔の筋肉は全体の20%ほどしか使われていません。筋肉を動かして顔に刺激を与え、たるみをなくし、表情をスムーズに使いやすくするのに効果的なポーズをいくつか紹介します。
①「くちゃくちゃぱっ」
梅干しを食べたイメージで口から息を吐きながら顔の中心にすべてのパーツを集め、息を吐ききったら顔全体を「ぱっ」と大きく開く
②「おだんごロック」
親指と人差し指で輪っかをつくり、頬をつまんでぎゅっと上に引き上げ、歯を見せて笑う
③「ムンクの顔」
口を「お」の形にして鼻の下を伸ばしながら目線を上にする
このほか、文字通り「あかんべー」などのポーズも試してみてください。
同じ表情ばかりでは、しわやほうれい線が刻まれます。大事なのは、伸縮運動でまんべんなく違う表情を作り、よれのない顔にすることです。
すてきな笑顔のポイントは口角を上げ、上の歯を8本見せることです。これを「女優さんの笑顔」といいますが、口元だけでしゃべる日本人は口角挙筋が弱いのでうまくできません。
その口角挙筋を鍛えるポーズが「おいしい顔」です。
口角を上げたまま、舌先をとがらせて小鼻を舐めるように左右に動かします。この動きで舌筋が鍛えられ、唾液の出も良くなるのでドライマウス予防にも繋がります。美しく健康的な歯は、素敵な笑顔をより輝くものに導いてくれますよ。