コロナ禍でマスク生活が続き、口元の表情や歯の黄ばみなどが気になってマスクを外す自信がない方も多いのではないでしょうか。そこで日本経済新聞社メディアビジネス イベント・企画ユニットは、働く女性に大人気の「歯が命の日」恒例スペシャルセミナーを3年ぶりにオンライン開催(協賛・サンギ)。
「美しく年を重ねる。最新のお肌とお口のエイジングケア」をテーマに、歯科医師と人気美容エディターが、オーラルケアやエイジングケアについて分かりやすく解説してくれました。
▼顔文字の比較
欧米(下)に比べ日本人(上)の口元の表情は乏しい
本来、頬の筋肉をキュッと上げて笑うことが自然の笑顔をつくります。イキイキした表情になり、実際に筋肉を動かすから若々しい状態が保てる。目だけ出していた生活が顔の下半分の老化を早めてしまったともいえます。
放ったらかされたのは、歯も同じです。コロナ禍で歯医者さんに行くのが不安で行かないうちに面倒になり、歯のトラブルや口元の老化が進んだという人が、私の周りにも増えています。人と会わない、話さない、笑わない、食事も黙食で時間も短くきちんとかまない。ネガティブな方向にスパイラルが回り、口元にどんどん自信がなくなっていく。
「美しさは健やかさ」。これが今の美容全般の考え方です。口腔内が健康だと、きちんとかめるし顔もたるみにくい。歯は本来、もっともっと大切にしなければいけないパーツなのです。
歯の色によって口紅の色や肌の見え方も驚くほど変わります。健康的な白い歯だと似合わないと思っていた口紅が似合ったり、くすんでいた肌が明るく見えたり、メイクが自由になって楽しい人生になっていきます。歯のエイジングケアを毎日積み重ねて、「自分のことが好き」と思える自分を目指してください。
口元に対してもっと意識を向けたいと思う気持ちはマスク生活が教えてくれた貴重な財産です。マスクを外す日が来たら、堂々とマスクを外して出かけましょう。
65歳と80歳の歯の本数を比べると、この15年で平均6本少なくなっており、この下り坂をできるだけゆるやかにするには、エイジングケアをできるだけ早くスタートすることが大切です。
8020を達成している人の特徴は、まず神経を取っていない天然歯が圧倒的に多いこと。そして歯ぐきが下がらず、根が見えず、歯のすり減りも極端に進んでいないこと。つまり健康なエナメル質に守られているわけです。
そこでお薦めしたいのがミネラル補給です。歯からは食事のたびにカルシウムやリン酸などのミネラルが溶け出します。通常は溶けた分を唾液中のミネラルが補ってくれるのですが、加齢とともに唾液が減り、再石灰化が追いつかなくなる。むし歯予防成分の薬用ハイドロキシアパタイトも溶け出したミネラルを供給します。ミネラル補給は大切なエネメル質の結晶を守ってくれます。
歯のエイジングケアは顔のスキンケアのステップと同じで、クレンジング、洗顔フォーム、化粧水、美容液、乳液、保湿クリームのイメージです。歯科医院で行うケアでは、まず歯の汚れを浮かせて落とし、ハイドロキシアパタイトを補給し、最後にフッ素を配合したジェルなどで封じ込めます。これを繰り返すことによりエナメル質が常に修復され、良い状態がキープされます。
まずは歯科医と相談して自分に合ったエイジングケアをスタートさせてください。その上で、歯みがきをしっかり続けることが基本です。最近は、汚れを薬剤で赤く染め、その3Dデータを歯科医院からスマホに送信。画面でみがき残しを確認しながらより確実なブラッシングが行えます。こうした新しい手法も積極的に活用していきたいですね。